
激闘の2024-25シーズン!八村、渡邊、そして河村勇輝の挑戦!
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2025年のNBAプレイオフが遂に開幕しました!イースタン・カンファレンス1回戦、注目カードの一つであるインディアナ・ペイサーズ(第4シード)対ミルウォーキー・バックス(第5シード)のシリーズが、日本時間4月20日、ペイサーズの本拠地ゲインブリッジ・フィールドハウスで幕を開けました。
この対戦は、昨年のプレイオフ1回戦の再戦ということもあり、多くのファンの注目を集めています。昨年はペイサーズがバックスを下しており、ペイサーズにとっては自信を持って臨むシリーズ、一方のバックスにとっては雪辱を期す戦いとなります。
しかし、シリーズ開始前から大きな注目点がありました。バックスのスターポイントガード、デイミアン・リラード選手が血栓の問題で欠場することになったのです。プレーオフでのプレーは許可されたものの、まだ復帰に向けた準備段階であり、この大事な初戦には間に合いませんでした。リラード選手の不在は、バックスのオフェンスに大きな影響を与える可能性があります。彼の得点力とプレーメイク能力が失われることで、チームの大黒柱であるヤニス・アデトクンボ選手への負担がさらに増すことは避けられません。アデトクンボ選手はリラード選手離脱後、ポイントフォワードとして素晴らしいスタッツを残してきましたが、プレイオフという舞台で、相手の集中マークを受けながら一人でチームを牽引し続けるのは容易ではありません。
対するペイサーズは、レギュラーシーズンで29勝12敗という素晴らしいホーム記録を誇っており、この初戦はホームコートアドバンテージを最大限に活かし、リラード選手不在のバックスを相手にシリーズの主導権を握りたいところです。昨年の再現か、それともバックスの逆襲か。因縁の対決の火蓋が切って落とされました。
試合は、ホームのペイサーズがファンの大声援を受け、序盤から圧倒的なエネルギーでコートを支配しました。ペイサーズは明確なゲームプランを持ってこの試合に臨んでいました。センターのマイルズ・ターナー選手をアウトサイドに配置することでフロアを広げ、他の選手たちのためのドライブレーンやシュートチャンスを作り出す戦略です。
この戦略は見事に機能し、ペイサーズは流れるようなボールムーブメントから効率的なオフェンスを展開。速いペースのトランジションオフェンスと効果的な3ポイントシュートで得点を重ねていきました。特に前半、ガードのアンドリュー・ネムハード選手が躍動。果敢にバスケットへアタックし、前半だけで15得点を挙げる活躍でチームを牽引しました。ペイサーズは第1クォーターで早々にリードを二桁に乗せると、その勢いは止まらず、前半終了時には67-43と、実に24点もの大差をつけてハーフタイムを迎えました。
一方のバックスは、ペイサーズの速い展開とインサイド・アウトサイドのバランスの取れた攻撃に対応できず、苦しい立ち上がりとなります。特に深刻だったのがシューティングで、3ポイントシュートは前半だけで16本中わずか2本成功(成功率12.5%)と、チームにとって今シーズン最悪の出来となってしまいました。これは単なるシュートの不調だけでなく、ペイサーズの激しいディフェンスと素早いクローズアウトが、バックスのシューターたちにプレッシャーを与え、タフなショットを強いていた結果とも言えるでしょう。
序盤のペイサーズの猛攻を示すハイライトは関連動画などでご覧いただけます。
後半に入ると、バックスのエース、ヤニス・アデトクンボ選手がチームを鼓舞します。孤軍奮闘とも言えるパフォーマンスで得点を重ね、最終的には36得点、12リバウンド(情報源により13リバウンドとも)という驚異的な数字を記録しました。アデトクンボ選手の活躍もあり、バックスは粘りを見せ、第3クォーターには一時15点差まで詰め寄るなど、反撃の機会をうかがいます。
ペイサーズも、前半の爆発的なオフェンスからはややペースダウンし、シュートが決まらない時間帯が続きました。一時は「少し点差が詰まりすぎた」と感じる場面もあったかもしれません。しかし、ここでペイサーズの頼れるベテラン、パスカル・シアカム選手が重要な役割を果たします。第3クォーターの勝負どころで連続得点を決めるなど、オフェンスを牽引し、バックスの追撃を食い止めました。
そして試合終盤、ペイサーズは再びディフェンスで集中力を高めます。最後の5分間以上、バックスにフィールドゴールをわずか1本しか許さない堅守を見せ、マイルズ・ターナー選手が勝負を決定づける3ポイントシュートを沈めるなど、再びリードを広げました。
最終スコアは117-98で、インディアナ・ペイサーズがホームで快勝し、シリーズ初戦を白星で飾りました。
試合終盤には、両チームの選手間で言い争いが見られる場面もあり、このライバル関係の激しさを物語っていました。アデトクンボ選手の奮闘やバックスの追い上げも見られましたが、ペイサーズが攻守にわたってゲームをコントロールしたと言えるでしょう。
この試合で輝きを放った選手、そして苦しんだ選手たちのパフォーマンスを振り返ってみましょう。
インディアナ・ペイサーズ
ミルウォーキー・バックス
主要選手スタッツ
選手名 | チーム | 得点(PTS) | リバウンド(REB) | アシスト(AST) |
パスカル・シアカム | IND | 25 | 7 | 2 |
タイリース・ハリバートン | IND | 10 | 7 | 12 |
マイルズ・ターナー | IND | 19 | 5 | 2 |
アンドリュー・ネムハード | IND | 15 | 4 | 5 |
ヤニス・アデトクンボ | MIL | 36 | 12 | 1 |
カイル・クーズマ | MIL | 0 | 0 | 0 |
この初戦の結果を左右した要因は何だったのでしょうか?
まず、ペイサーズの戦略遂行能力の高さが挙げられます。彼らは持ち味である速いペース、優れたボールムーブメント、そしてターナー選手を活かしたスペーシングを徹底し、効率的なオフェンスを展開しました。ディフェンス面でも、アデトクンボ選手へのマークを徹底しアシストを封じ込めるとともに、粘り強いローテーションでバックスの3ポイントシュートにもプレッシャーをかけ続けました。ハリバートン選手のシュートが不調でも勝ち切れたのは、まさにチーム全体の努力 (collective effort) の賜物と言えるでしょう。
対照的に、バックスはリラード選手不在の穴を埋められませんでした。アデトクンボ選手への依存度が高まり、他の選手がステップアップ (step up) して彼をサポートすることができませんでした。特に、得点源として期待されたであろうクーズマ選手の不発は、チームにとって計算外だったはずです。この結果は、リラード選手が戻ってきたとしても、プレイオフを勝ち進む上で他の選手の貢献度が重要であることを示唆しています。また、壊滅的な3ポイントシュートの不振や、特に前半にペイサーズのトランジションオフェンスを止められなかったことも敗因となりました。
そしてもちろん、リラード選手の欠場 がバックスのオフェンスを単調にし、ペイサーズのディフェンスを容易にした側面は否定できません。
最後に、ペイサーズのホームコートアドバンテージ も、彼らの序盤の勢いを後押しした要因の一つでしょう。
クーズマ選手のパフォーマンスに対するファンの反応は、SNSなどで見ることができます。
今回の試合観戦を通して、NBAでよく使われる英語フレーズをいくつか学んでみましょう!
初戦はペイサーズの完勝に終わりましたが、シリーズはまだ始まったばかりです。第2戦に向けて、両チームはどのような修正を加えてくるでしょうか?
バックスにとっては、アデトクンボ選手以外のオフェンスの選択肢を見つけることが急務です。3ポイントシュートの精度向上はもちろん、ペイサーズの速いペースにどう対応するかの守備戦略の調整も必要でしょう。そして、クーズマ選手がこの不振から立ち直れるかどうかも大きなポイントです。
ペイサーズは、この試合で見せたエネルギーと遂行力を維持したいところですが、大黒柱であるハリバートン選手のシュートタッチが戻ることを期待したいでしょう。第1戦は彼の不調をチームでカバーできましたが、シリーズを通して勝ち抜くためには、やはりエースの活躍が不可欠です。
そして最大の不確定要素は、デイミアン・リラード選手の復帰です。報道によれば、火曜日(現地時間)に行われる第2戦で復帰する可能性も示唆されています。もし彼がコートに戻れば、シリーズの流れは一変する可能性があります。ペイサーズのリック・カーライルHCも「第2戦はこの試合よりも格段に難しくなるだろう」と警戒しています。バックスのドック・リバースHCにかかるプレッシャーも大きいはずです。
プレイオフ1回戦、ペイサーズ対バックスの初戦は、ホームのペイサーズが見事なチームバスケットボールを展開し、快勝を収める結果となりました。確立されたゲームプランを忠実に実行し、チーム一丸となってエネルギッシュなプレーを見せたペイサーズが、シリーズの先手を取りました。
一方のバックスは、エースのアデトクンボ選手が孤軍奮闘したものの、リラード選手不在の影響は大きく、チームとしての機能不全が目立ちました。しかし、彼らがこのまま終わるとは考えにくいでしょう。特にリラード選手の復帰が現実となれば、全く異なるチームになる可能性も秘めています。
初戦から激しい攻防と戦略的な駆け引きが見られたこのシリーズ。第2戦以降、どのような展開が待っているのか、ますます目が離せません!